プログラマ行進曲第二章

主にソフトウェア関連の技術をネタにした記事を執筆するためのブログ

『ホモ・デウス』上巻を読み終えました

前回の書評記事から大分期間が経ってしまいましたが、読書自体は細々と続けているので、久し振りに書評記事でも書きたいと思います。技術ネタで書ける記事はたくさんあっても正確に書こうとすると労力が必要で疲れてしまうので。

今回扱う書籍はこちらです。

ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来

ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来

前回の記事で紹介した『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』と同じく、こちらも話題の書籍なので、普段読書を嗜まれている方はもう既に読んだ人も多いかと思います。

私はこの著者、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の前作である『サピエンス全史』は読もうと思っていながら読むタイミングを失っていたのですが、今作は良いタイミングだと思って読み始めることが出来ました。あと、「『サピエンス全史』は人間発祥の時代から今までを語った書籍、『ホモ・デウス』は今の時代からこれから先のことを語った書籍」という話を聞いていたので、「どうせ読む時間もそんなに捻出できないのなら、過去のことを学ぶよりもこれから先の話を知る方を優先してみるか」と思い、『ホモ・デウス』を読み始めました。

読んでみての感想

内容が大分骨太なので読み進めるのに苦労しましたが、ビジネス書ではない教養的な書籍でこんなにワクワクする書籍はここ数年無かったので、面白く読めましたし、下巻も楽しく読んでます。

私の理解する限り、『ホモ・デウス』上巻に書かれていることの骨子を箇条書きにすると以下のようになります。

  • 人類は有史以来、3つの問題に悩まされてきた。その3つとは飢饉と疫病と戦争である。
  • 人類は有史以来、この3つの問題を解決することが出来ていなかったが、現在に到達し、ようやくこの3つの問題を克服しつつある。
  • 人類の歴史において、飢饉と疫病と戦争が取り組むべき問題のリスト上位にいたが、これらを克服しつつあるということになると、次は何に取り組めばいいのか?

まず最初にこの切り口から入っていく書籍なのですが、筆致の巧みさなのか、それとも論理的な筋書きのなせる技なのか、とにかく筆者が主張する流れが理解しやすいように書かれていて、著者のユヴァル・ノア・ハラリ氏はすごい頭のいい人物なんだなと思いながら読んでました。

極論してしまえば『ホモ・デウス』は著者のユヴァル・ノア・ハラリ氏が考える未来予測にしか過ぎないのですが、彼が出す主張をサポートするデータなり歴史を踏まえて提出される主張を見ると、「この未来予測は本当にそうなりそうな予測だ」という強い予感を感じさせるものが多く、ついつい納得してしまいます。

上記の切り口から語られるにつれ、「老化と死を克服した人類は、次に神性を求めるようになり、自身をホモ・サピエンスからホモ・デウスに変えることを目指すだろう」といった、一見すると突飛に見える内容も思わず納得させられてしまうくらいに説得的ですし、個人的には刺激的な内容が溢れていて読んでいて面白いです。

下巻も早いところ読了して、記事にしたいと思ってます。