平成と令和にかけたゴールデンウィークに突入してるのに「時間が無くて今まで下書き・構想のままのブログ記事書けませんでした」とか流石に言いづらいので、久し振りに書評(というか読書感想)記事を書きます。
題材は、1月の以下の記事を書いたときに読み終えた『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』(以下『ファクトフルネス』)です。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
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読み終えたのは以下の記事によると2019/01/19ですね。
早めに読書感想のブログ記事を書きたいと思ってます。
こんなふうに書いてから3ヶ月以上経過してしまっていますね。死です。
読んでみての感想
『ビル・ゲイツやバラク・オバマ推薦!』のような宣伝のされ方をしていた書籍ですが、その人たちが推したくなるのも分かる、良い内容の書籍だと思いました。
正直読んだのが3ヶ月前で復習もしていないので細かいことは忘れてしまっているのですが、だいたい以下のようなことが書いてあったかと思います。
- 世の中にはデータに基づいていない間違った思い込み・言説に溢れている
- そういった思い込み・言説は大概刺激的で扇情的な内容が含まれていて、ドラマチックすぎる世界の見方を植え付けてしまっている
- 一般市民だけでなく、世界をリードする指導者や有識者といった高い教育を受けているはずの人ですらそういった思い込み・言説・世界の見方を信じているという現状が今までの(著者の)講演内での質問により明らかになっている
- このドラマチックすぎる世界の見方は大抵、「世の中はどんどん悪くなっているか、もしくは以前と同じく悪いままで改善されていない」という世界観に満ちているが、データに基づいて見てみれば、そんなことはなく、世界は段々よくなっていることが分かる
- こういった世界の見方をしてしまうのは10個の人間の本能による影響が強い(ので、これらの本能に自覚的になる必要がある)
…だいたいこんな感じだったと思います。
少し前にあった統計学ブームや、昨今のフェイクニュースといった背景を頭の中に入れて読んでみると尚面白くな感じる書籍でした。
本の内容の多くは事例が多いので人によっては退屈に感じてしまうかもしれません。
個人的には翻訳された日本語の文章が自然すぎて、読んでいて引っかかりを覚えるところがなかったので非常に読みやすかったです。
読んだ後に感じた疑問
本の内容はとてもいい!という前提で、読書後に以下のような疑問が生まれました。
「政府統計とか公式統計の値自体が信用おけない場合はどうしたらいいんですかね?」という疑問です。
こんなの答えが出ないだろうし、そもそもファクトフルネスの大元のサイトでは答えが出ている話なのかもしれないけれど、やはり気になってしまいます。
というのも、最近日本のニュースでは統計不正や廃棄といった問題が度々報道されているのを目にしているからです。
この記事を書いた直近のニュースだと以下のものが挙げられるでしょうか。
本業の研究者でもなければ、データを追うだけでも大変なのに、そのデータ自体が本当に信用できるかどうかを検証する必要もあるなんて状態になっていたら、この書籍に書いてある「事実に基づく世界の見方」を実践するのは事実上無理なのでは?と思わずにはいられませんでした。
あと、これとは別件(?)で、よくある批判に対して翻訳者の方が誠実に答えているエントリもまだしっかり読めていないので、これを読むところから始めた方がいいのかもしれません。
まとめ
各所で絶賛されているので、逆に今更読まない方がいいかもと思う人はいるでしょうし、私もその考えに同調してしまいたくなる部分はあるのですが、まあ一度読んで損はないと思います。いい本です。
ただ、これを実践するのはかなり大変な類いの本なので、怠け癖の強い私のような人間は「もう日々のデータをアップデートして改訂された版が定期的に欲しい」という、この本で主張されている態度と真逆の態度を取りたくなってしまいますね。
データに基づいて議論したり決定するのは大変だなあと思いました。