今年の抱負に「1年で12冊は本を読み、感想ブログを書く」というものを立てているので、今回はその2つ目の記事。前回はこちら。
今回読んだ本は『Airbnb Story』。Airbnbの創業を描いた本です。
Airbnb Story 大胆なアイデアを生み、困難を乗り越え、超人気サービスをつくる方法
- 作者: リー・ギャラガー,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2017/05/25
- メディア: 単行本
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この本、個人的には読み手によって評価が大きく別れそうな本だと思いました。"民泊"というものに対する印象も人それぞれだろうというのが大きな理由です。
本で描かれているエピソードの中にもあるように、民泊というものを「新しいニーズを上手く捉えて形にした新しい動き」と見る人もいれば、「既存の業界に規制があるのは理由あってのことなのに、それを無視して利益を追求しているようにしか見えない」と見る人がいる中、民泊を中心に据えたAirbnbを(割合好意的に)紹介している本なので、読者が持つ民泊(とAirbnb)に対する心証と本の評価が連動してしまうように思いました。
ちなみに私は民泊に対しては多少否定寄りに見ることが多い人間です。ですが、そもそも民泊というものに対してそもそも知らないことが多かったのと、デザインの力がプロダクトの価値に反映されていると評判のAirbnbのことを知りたかったのでこの本を読み始めました。
読んで感じたこと
この『Airbnb Story』を最後まで読み通して感じたことは3つあります。
まず1つ目はなぜこの創業者たち3人は喧嘩別れをせずに済んだのかということです。普通だったらこの悪いバランスともいえる3人はどこかのタイミングで喧嘩別れや空中分解してもおかしくないはずなのに、このように現在に至るまで3人でAirbnbを運営しているというところが稀有なところではないかと思いました。
もしかしたら私が読み逃しているだけで、3人が喧嘩別れせずにすんだ理由は本を読めば合点がいくものだったのかもしれませんが、少なくとも初見ではそう思いました。
2つ目に感じたこととして挙げられるのは、この本では「ミレニアル世代がAirbnbを支えてきた大きな要因だ」ということを何回にもわたって書いているのですが、私自身がミレニアル世代*1なのに全くこういった感想を持たなかったので、こんなにも世代の中で差があるのかと感じたということです。
「ミレニアル世代、ミレニアル世代!」と何回もこの本の中で繰り返されていて「ミレニアル世代ってなんだよ!」と思いながら読んでました。
いやほんと、ミレニアル世代の人ってそんなに「画一的なブランドに不満を持ち、冒険心が旺盛で、デジタルだけのつながりに慣れている」(書籍内の表現ママ)んですかね?
3つ目に感じた感想として挙げられることとして、(寛容というわけではないのだろうが)失敗したエンジニアにも寛容でいるという社風がどうやってできたのかということです。
Gitlabのデータベースエンジニアの例みたいに、Airbnbも社が保有しているデータを全部削除してしまうようなエンジニアがいたそうだが、そのエンジニアに対して(少なくとも本の中での記述では)処罰みたいなものはしていないよだったので、どういった社風がそういったことを可能にしているのかには興味を持ちました。
まとめ
既に書いたように、人によって評価が大きく分かれそうな本なので、他の人が読んだときにどんな点が気になるのか、あるいはどうこの本を評価するのかといったことが知りたくなる、そんな本でした。
あと、職場の人と本の感想について話していて気づいたのですが、「創業者の成長物語」と捉えればとても真っ当で横道な映画向きの話だなと思ったので、映画化したら面白そうだし、もしそうなったら見てみたいと思いました。というか見たいですね。
*1:私は1984年生まれなのでミレニアル世代なはず。日本での定義とこの本での定義がずれていなければ。