プログラマ行進曲第二章

主にソフトウェア関連の技術をネタにした記事を執筆するためのブログ

『エンタングル:ガール』を読み終えました

最近本を読めているので、この調子で書評記事を書いていきます。

今回扱うのは『エンタングル:ガール』です。

エンタングル:ガール (創元日本SF叢書)

エンタングル:ガール (創元日本SF叢書)

『エンタングル:ガール』は2006年に放送されたアニメ『ゼーガペイン』のスピンオフ小説で、舞浜南高校に通う映画監督志望の高校一年生、カミナギ・リョーコが主人公の青春小説です。

原作であるアニメ『ゼーガペイン』はロボットやSF要素が強いながらも切ない感情を呼び起こすストーリーを持ち、未だにコアなファン人気を誇る作品ですが、この『エンタングル:ガール』はアニメ『ゼーガペイン』が持っていた青春群像劇の要素を強調して押し出した作品となっています。

『エンタングル:ガール』の大まかなストーリーは、映画コンテストに出す映画を撮るため、主人公のカミナギ・リョーコが監督となり、舞浜南高校に伝わる七不思議を軸にした映画を舞浜南高校映研のメンバー+出演者で作るというもので、その中で徐々に明らかになる人間関係や世界の謎に触れるという流れになってます。

読んでみての感想

最近小説を読まなくなっている身としては、久し振りの真っ当な青春小説だったので、読後感は爽やかな気持ちになってよかったですね。

私が熱狂的な『ゼーガペイン』ファンということもあり、大分評価が甘い可能性はあるのですが、SF要素にあたる話や『ゼーガペイン』の要素を前提にした話は最後の方にしかないので、アニメ『ゼーガペイン』を知らない人でも読める作品になっているのでは?と思います。

個人的によかったポイントは、非常に読みやすい日本語だったという点です。

『三体』を読んだときの記事にも書いたのですが、小説に限らず、本を読んでいるときに読みにくい日本語で書かれていると、相当の本好きでも無い限り、限られた時間を使って読んでいるので、読み通すのに障害になってしまうので、この読みやすさはよかったです。

この読みやすさは著者の高島雄哉氏の持ち味なのかどうなのか、私は分からないですが、これだけ読みやすいならば氏の他の著作(『ランドスケープと夏の定理』など)を読んでみようかなという気になりました。

余談

この『エンタングル:ガール』の出版を記念したトークショー&サイン会が8/31に開かれたのですが、当初予定が無いから行こうかなとTwitterで呟いていたら、ありがたいことに著者からアドバイスをもらいました。

ただ、ここで残念だったのが、確認不足で8/31には用事があってそちらを優先したかったので、このトークショー&サイン会には行けず、上記ツイートの返信もしないまま今日まで来てしまいました。

放置したままなのもどうかと思いつつ、だからといって返信をするには随分日が経ってしまったので、返信の代わりに読書感想の記事をこうやって書いたわけです。

少しでも著者の手元に何か届けば幸いです。