『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』読書記 その1と題した前回のエントリーの次は「読書記 その2」となる予定…でしたが、更新を怠っていたため、読み終わってしまいましたので、読破記念に全体のまとめになるエントリーを書きます。
- 作者: 神永正博
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2009/04/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読み終えての感想は以下の通り。
【読んで良かったと思える点】
良い点ばっかり書いているのもどうかな〜という感じなので、ちょっと批判的な視点からの感想も以下に書きます。
【読んでもなお足りないと思える点・読む際に詰まづいた点】
批判点がかなり無理矢理出した感がありますが、実際無理矢理です(笑)。無理矢理粗を探す必要がある*5くらい、良く出来た良い本だと思います。
私みたいに、「統計の見方なんて勉強したことないし、どうやって勉強すれば良いのかわからない!」という方にオススメです。1600円(税別)で「統計・データの見方・読み方・利用の仕方」が学べるだけでなく、「もっと学習したい人へのガイド」がまとめられていること、「簡単すぎず難しすぎずの難易度」だから再読に耐えうることを考えると、これは買いの一択でしょう。
ただ、以下の点には注意して読んだ方が良いかもしれないですね。
- 一度読んだだけで全て理解しようと思わないこと。「簡単すぎず難しすぎずの難易度」とは言いましたが、それはさらっと概観した場合の難易度で、根本から理解しようとすると二度、三度読み直すのは当たり前な印象を受けました*6。
- 専門用語が使われている箇所は、専門用語が意味することを理解するようにすること。専門用語に惑わされると筆者が本当に伝えたいことから離れてしまうと思われるので、専門用語の説明箇所が難しかったら、「思い切って飛ばして読む→後で読み直して理解する」ことをしてもいいかもしれません。
まとめると、「一度読んでハイ、終了!」をしなければ値段以上の価値は確実にある本です。取り立てて高額な書籍ではないので、購入して何度も読み返すことをお勧めしますよ。
*1:【数式に依存していない=数学とか数字が苦手な人にも優しい】という意味ではなく、【数式に依存していない=数式の簡潔さ・明瞭さを捨ててでも、統計やデータが示す根源的な意味を分かりやすくしている】という意味で私は評価しました。
*2:中高時代の数学でこういう説明をされていれば、統計の授業も興味を持てただろうになぁ…(遠い目)←典型的な後知恵です。
*3:出典が図・表に付記されているものもあったみたいですが、基本的に
*4:最もこれはレイアウトの問題で無理だったのかもしれません。それに、図・表に付記されていたらゴチャゴチャして見にくくなるということもあり得るので、どちらが良いというものでもないかもしれないですね
*5:統計の専門家等からはツッコみたいところがあるのかもしれません。実際、[http://kaminaga-weyl.blogspot.com/2009/04/blog-post_30.html:title=専門家からの指摘があったと筆者のブログに書いてあります]。
*6:実際、私も最初から最後まで読むのに何度か前の箇所に戻って読み直しています。