プログラマ行進曲第二章

主にソフトウェア関連の技術をネタにした記事を執筆するためのブログ

Sonyほどの世界的大企業が「Mac非対応にすること」の本当の意味に気づいていないなんて残念だ!

プログラマーにして有名アルファブロガー・書評家のdankogai(@)氏が今日発表されたSony Readerに関してこんな記事を書いていました。

404 Blog Not Found:Sony Reader がやはり始まる前から終わっていた件

私も全く同感です! ITmediaの記事を読むと「早く発売したかったから(3G+Wifiのモデルは発表しなかった)」と質疑応答で答えたようだけれど、ありえないですね。dankogai氏が指摘するように、「手に入れたいと思ったその場で手に入る」のが電子書籍の外せないポイントだと私も思うので。

と、今回書きたかったのはこの「通信機能がない」ことではなくて*1、このSony Readerが「Mac非対応」という点に関してです。この「Mac非対応」という点、これは現在においては単に「Macユーザーを対象としていない」という文字通り意味だけではないということに世界的大企業となったSonyですら気づいていなかったことに落胆したのでこんなブログ記事を書いてしまいました。

それではタイトルにもある「Mac非対応」にすることの本当の意味とは何か? 勿体ぶるのも何なので、結論を書いてしまいます。

「Mac非対応」=「(狂信的な)Apple/Steve Jobs信者が無料でどんどん宣伝してくれるという可能性をドブに捨てている」ということ

これに尽きます。ドブに捨てるどころか、酷評ポイントの一つにもなり得ます。定量的な証拠を示すことは残念ながら出来ませんが、上記のdankogai氏のブログに対する反応をTwitterで検索して見ていたところ、同じように考えている人がいました。

まさにこの方(@)のおっしゃるとおりです。

(「商品がいいもの」の場合に限りますが)「Mac対応」にしていたとき、@氏をはじめとした有名アルファブロガーといった「ネット上で影響力のある人物」が放っておいても勝手に宣伝してくれるんですよ。無料で! 頼まれもしないのに! なぜならMacユーザーという彼/彼女らは大なり小なりApple/Steve Jobs教とも言われる(揶揄されている?)集団の一員なのですから!

…最後の部分は半分冗談として、私の見ている限りでは*2、日本の場合、ネット上において影響力のある人物のMac所有率は、PCユーザーにおけるMac所有率を遙かに凌駕していると思います。具体的人物リストをぱっとあげられないのがもどかしいですが、そうそう外れていない推測だと思います。

そして、そんな影響力のある人たちは普段からせっせと外に向かって情報を発信しているわけです。彼/彼女らは本当にいいと思った物に対してならベタ褒めします。ダメな物はそもそもレビューしないか、酷評するかのどちらかでしょう。そんな情報発信の際に彼/彼女らが使っているのはMac/iPad/iPhoneなどといったApple製品です。この情報発信に使う道具に対応してなかったら彼/彼女らの好意的なレビューなんか望めるわけがないでしょう! しかも重要なのは(外から見る限りにおいては)彼/彼女らはこうした行動(いいと思った物のレビューなど)を無償でやっているわけです。「Mac非対応」にするってことは、そんな無償で働いてくれている有能な広報を切り捨てているってことですよ、Sonyさん!

加えて、現代ではソーシャルメディアの力がだんだん強くなってきて、Twitterでどんどん噂や評価が拡散されていきます。このSony Readerの件でも例外ではなく、@氏のブログ記事がどんどんはてブを集めたり、Twitterで拡散されていって、しまいにはこんな状態になってしまったようです。

「ホントか!?」と思ってしまったので調べてみたら本当でした…
sony reader - Google 検索-1
(本当ならキャプチャした時刻を証明できるようにしたかったがやり方が分からなかった…)

「Mac非対応」なんてやってしまってアルファブロガーの人たちを無碍に扱うとこんな風に酷評が一気に拡散してGoogleさんの検索結果にでかでかと載ってしまうんですよ、Sonyさん!

そんなわけで、Sonyのような世界的大企業を含めた世の中の企業は、製品を「Mac非対応」にしようとするときには、そのメリット・デメリットをしっかりとシミュレートした方がいいと思いますよ。

*1:いや、ほんとあり得ないと思いますけどね、この点。

*2:ここが「定量的な証拠を示せない」部分です。「観測範囲、狭!」という反論はその通りかもしれません。