萌え系の表紙に騙されるなかれ! 導入には十分なドラッカー入門書「女子ドラ」書評を書いてみる

久しぶりに本を買おうと思って本屋に行って、こんな本を買いました。…というのも1ヶ月くらい前でしょうか? 書評を書こう書こうと思いつつ、かなり遅れてしまいました。

この本ははてな界隈では有名なハックルベリーこと岩崎夏海さん(id:aureliano)が自身のブログに書いた記事きっかけにして出版することになったドラッカー入門書です。「女子ドラ」という通称で親しまれています。正式名称「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら」という名の通り、高校野球の女子マネージャーが「マネジメント」の手法を野球部に取り入れて甲子園を目指す青春小説の形を取っています。

この本で扱っているドラッカーの「マネジメント」とはこれのことです。

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

実はこのエッセンシャル版の「マネジメント」を「女子ドラ」以前に購入して読んでいたのですが、内容が上手く理解できずに途中で挫折していたので「女子ドラ」を購入することにしました。

この「女子ドラ」が出版された当初は「どうせ小説としては詰まらないんだろ? ふつうにエッセンシャル版のドラッカーを読み通した方がいいよ」と思っていました。が! その考えは本書を読み進めていくことで少しずつ影を潜めていきましたよ。

なんと言っても、入門書の割にはストーリーだけでも楽しめる」のがよかったです。ストーリーはよくあるサクセスストーリーなんですが、よくあるテンプレ化したストーリーであるがために「ドラッカーの内容がストーリーに上手く乗って頭に入ってくる」のです。テンプレストーリーだから「ああ、次はこういう展開が来るな」と思いながら読めるので、ストーリーを追う作業が(ドラッカーの)内容の理解を妨げないんですね。これはよくできていると思いました。

こんな風に書いてしまうとストーリーが単調でツマラナいという印象を与えてしまうかもしれませんが、平均以上のライトノベルと同じくらいの面白さはあると思いますので、「読んで損した!」ということにはならないかと思いますよ*1

ドラッカー入門書として適している理由

一言でまとめると「ドラッカーの言っていることを"野球部のマネジメント"という分かりやすく具体的な事例に当てはめているから」です。

ドラッカーのエッセンシャル版「マネジメント」はマネジメントの基本・原則に関して書かれているためか、書かれている内容の汎用性の高さと引き替えに「具体的にはこの考え方をどう現実(の組織)に適用すればいいのか?」ということに関しては自分で補って考える必要があります。当たり前といえば当たり前なんですけどね。世の中には星の数ほどの組織がありますから。

…と分かったかのようなことを書いてしまいましたが、実はエッセンシャル版「マネジメント」をまだほとんど読めていないので上記の解説は的外れかもしれません。それでもこの女子ドラ、「野球部」という想像しやすい具体例にドラッカーの手法を当てはめたのは(少なくとも私にとって)かなりの功績です。

「ドラッカーは興味があるんだけど難しそう…」という人にはかなりのお勧めです!

*1:「値段に面白さが見合ってない!」という批判ならありうるかもしれませんが。ライトノベルだと考えると高い値段ですからね。