プログラマ行進曲第二章

主にソフトウェア関連の技術をネタにした記事を執筆するためのブログ

【JavaOne 2008 報告会】に参加してきました 《その2 個別の発表の内容・感想》

6月1日のエントリーに引き続き、今回の記事では【JavaOne 2008 報告会】で行われた個別の発表の内容と、発表に対する私の感想を書いていきたいと思います。

《開会あいさつ》
【内容】
日本Javaユーザグループ会長の丸山不二夫さんによる、Javaを取り巻く近況説明が主な内容のようでした。「ようでした」というのは、当日電車の中で寝坊して、遅刻してしまったからです…(ふがいない…)

途中参加からでも把握できた内容としては、「実際にJavaOneに参加した人でもJavaOneの全体の1/13しか体験できていないのだから、報告会を通じて全体像を把握すると良いと思う」ということが挙げられます(ノートに残したメモが不完全なので実際におっしゃったことと違う部分があるかもしれません)
他に丸山さんがおっしゃっていたこととして、「Rubyを扱ったセッション(?)が多かった」ということもありました(これもノートのメモが不完全なので間違っているかもしれませんが)。


JavaOne 2008 ハイライト》
【内容】
CommunityOneやJavaOne 2008の状況などを概観した発表でした。
特徴的だったのは、JavaOne 2008に出ていた人たちがどのような発言をしていたかということに対する言及が多かったことです。LinuxDebianディストリビューションを開発したIan Murdock氏は「MonolithicからModularityへ」と言っていたそうですし、SunのCEOJonathan Schwarz氏は「十万の支流が集まるアマゾン川のように、コミュニティが作る動きが出ている」と言っていたそうです(注:メモの失敗により、書いた発言内容は不正確なのでご了承ください。)
後の個別の発表でも書きますが、大体"Modularity"や"RIAs"の動きが実際にどのように動いているかと言った内容の話が多かったです。あとは、コミュニティやオープンソースプロジェクトの動き(OpenSoralisの話が多かったと思います)は注目すべきだと言っていたと記憶しています。

【感想】
まだこのコンピュータ技術に不案内な私でも何となく全体像が分かる内容と構成でしたので、非常に助かりました。残念だったのは(といっても、この発表のせいではないんですけど)、メモを上手くとれなかった&ブログ更新に時間がかかったことで、発表内容の多くを忘れてしまったことでしょうか。


Java EE 最新動向 : Java EE 6 と Beyond Java
【内容】
すいません、内容が難しすぎてほとんど詳しいことは書けませんm(_ _)m
発表に出てきた話の主な分野は"Webアプリケーション"や"Webアプリケーションのフレームワーク"だったので、GlassFishの話やEJB、Web Beansの考え方や、JSF・Spring・Ruby on Railsなどのフレームワークの話が多かったです。大体全ての話において「複雑化した機能を再整理して、機能を統一化し分かりやすくする」という考え方(一言で言い換えると"Modularity"となるでしょう)が関係していました。

【感想】
今の私では難しくてほとんど理解できなかったので、来年のJavaOne報告会が開催されるまでには、全ては分からなくても後で自分で調べることが出来るくらいの状態にしたいと思います。


Java SEJavaFX: 傾向と対策》
【内容】
Java SE7になるに当たっての仕様変更の話やJavaFXの特徴の説明が主な内容…と見せかけて、本当の主な内容はNeil Youngについてでした(笑) (←半分は冗談、半分は本気です)

発表の具体的な内容についてこれから書いていきます。
Java SE7のキーワードとして3つの語が挙げられていました。それは、Modularity"、"Web Profile"、"言語仕様の変更"です。3つのキーワードについてほぼ共通している概念(というより背景事情)は「大きくなりすぎて複雑になったJavaの機能を再整理する」ということだそうです(6月1日のエントリーでも書いたように、"Modularity"はこれからのコンピュータ技術の動きを象徴する語のようですね)。

Java SE7における"Modularity"の具体例としてあげられていた事項(のうち、私でも理解できたもの)は、"module"という新しいアクセス修飾詞の存在でした。これは簡単に言えば、アクセス制限がpublicより強くprivateより弱いというもので、この"module"というアクセス修飾詞を使うことで、より使い勝手の良いパッケージ化が可能になるという話をしていました。私はよく理解できなかったんですけど、"module"は"JAR hell"と呼ばれる事態を回避する一つの方策らしいです。
"Web profile"の話も私にはよく分からなかったので詳しくは書けません…(すみません) 私が分かる範囲で書くと、「Javaは大きくなりすぎて、使わないAPIが多すぎるのに切り離すことは出来ない」という事態を解消するための方法として"Web profile"というもの(概念?)が利用されるようです。クロージャーというものも利用するとのことでしたが、同じく私には理解できなかったので、興味のある方は"Da Vinci Project"という語を検索エンジンで調べてみるといいと思います。
"言語仕様の変更"に関しては、かいつまんで言うと「JavaVMの改良(Garbage Collectionの改良)」、「例外のマルチキャッチ」、「アノテーションの利用可能」が目玉とのことでした。あと加えるなら、Consumer JREのPluginが変わるだか良くなるだかという理由で、Appletが再び注目されるのではないかということも言っていました。Javaを学び始めた私としては、「例外のマルチキャッチくらい最初から実装されていても良さそうなのに」と思いつつ、Appletが実用的になる見通しなのは嬉しいですね。
Java FXに関してはあまりノートをとれなかったこともあって詳しく書けませんが、「デスクトップアプリケーションの開発で人気あり」、「開発環境がネック」とだけノートにメモが残っていたので、ここに書き残しておきます。
【感想】
とりあえず、Neil Youngは偉大な人なんだろうな〜ということはよく分かりました(笑)。Java SEJavaFXの話は、私にとっては内容的に難しいところが多かったにもかかわらず、資料の見やすさに助けられて何とか少しは理解が追いついたかなという印象でした。


《明日から使えるデバッグ/運用手法 from JavaOne
【内容】
基本的に内容はデバッグツールやデバッグ環境に関するお話でした。具体的に言うと"JMX"と"VisualVM"と"Dtrace"の話です…と言いましたが、私には何のことやらさっぱりでした。というのも、デバッグツールをまだ使ったことがないんですよね。まだJavaのプログラムも0からは満足に作れない状態なので、「デバッグツール? どう使うんですか?」という状態のため、折角のお話をきちんと吸収できなかったような気がします。
とりあえず一つ学んだこととして「VisualVMは"拡張可能"という点が他のデバッグツールと比較した際の良い点である」ということでしょうか。

途中でDtraceを実際に使うデモがある予定でしたが、プロジェクター等の不具合で上手く移らなかったのが残念でした。発表者の谷本さんのブログで実際の手順が書かれているので興味がある方は覗いてみてはどうでしょうか?

谷本さんのブログ
http://d.hatena.ne.jp/cero-t/

【感想】
デバッグツールを使ったことがないので話の詳細は分からなかったですけど、発表の構成はとても分かりやすくて好印象でした。資料の構成も小気味よく冗談が効いていましたし。
櫻庭さんの発表の時、「斜め左前方にいる人が熱心にパソコンでメモ取っているな〜」とか思っていたら、その人が次の発表者の谷本さんで、櫻庭さんの発表の内容を踏まえた資料構成をしているのを見たとき、「後ろの席でパソコンをいじっていたのは資料に手を加えていたからなんだ」と気づき、ちょっと感心してしまいました。私は公式な場で発表やプレゼンをしたことがないから分からないですけど、やっぱり直前まで資料の手直しをするくらいが当然なのでしょうか? いずれ自分も公式の場で発表できるくらいの立場になって事の真偽を確かめてみようと思います(笑)


《DON'T BE SHY! 〜ハンズオンラボ/BOF/パビリオン体験レポート〜》
【内容】
"体験レポート"と銘打っているとおり、JavaOne2008やCommunityOneに行って体験してきたことや感想などの報告が主な内容でした。一番役に立つ情報は「JavaOneを最大限に堪能するにはどうしたらよいか?」ということに対する様々なアドバイスでした。以下に簡単にまとめておきます。

JavaOneを有効活用するには、準備が欠かせない!』
・スケジュール管理を徹底する。
 特に「参加セッション」と「パビリオンを見る時間帯」を決めておかないと
 当日効率的に回れなくなるそうです。

・知りたい情報や会いたい人に関する情報をまとめておく。
 特に「ゼネラルセッションなどのスピーカーのblogをチェックすること」や
 「話したい人/サインが欲しい人のリストを作っておくこと」を実践していると
 ずいぶん結果が違うとのことでした。

他にも『JavaOneで人から話しかけられるようにするコツ』や『JavaOneに行くための上司説得方法』など面白いアドバイスがいっぱいあったのが非常にためになりました。来年のJavaOneはGW期間ではないそうなので、私も来年には参加できるよう、今から用意を始めたいと思います。

より細かい情報が知りたいなら、発表者の大渕さんのblogにプレゼン資料が挙げられているので、そちらを参照してください。

http://blogs.sun.com/masakoo/entry/jjug_javaone_report_ofuchi

【感想】
JavaOne楽しかったですよ! 皆さんも是非参加してください!」という心の声が聞こえてくる発表でした。肩の力を抜いて聞ける内容でしたし、私もJavaOneに参加しようという気持ちが沸いてきたので、成功していたと思います。
一つ難点を挙げるとすれば、他の発表者だった櫻庭 祐一さんとのやりとりでしたね。「大渕さんが確認 → 櫻庭さんが答える → 大渕さんが納得する」という流れが何回か会ったんですけど、前の方でやりとりが終始していたので、後ろの方にいた私は(やりとりの声が大きくはなかったこともあり)話の流れと解答が分からないことがあったのが残念でした。まあ、もとはといえば後ろに座っていた私が悪いんですけどね。次回は遅刻せずに前の方の席を取りたいと思います。


《全発表の総括的な感想》
参加して非常に良かったです。正直な話、理解できなくて眠くなった箇所も多々ありましたが、「自分はまだコンピュータ技術の入り口にもいないんだ」ということを自覚できたことと「学ぶべきことや楽しそうなことがたくさんある」ということを知ることが出来ただけでも大変な収穫だと思います。
今回参加して楽しかったので、次回も是非参加するつもりです。というより、次回は「JavaOneそのものに参加してやる!」くらいの意気込みでこれから生活していきます!